開発の軌跡 < 4. ヘミセルロース誘導体の免疫強化作用C/有効性を示すサイエンティフィックエビデンス

2)免疫増強のメカニズム

 ヘミセルロース誘導体は経口摂取によって免疫力へ影響を与えることのできる成分として開発されたものであり、キノコや酵母等ベータグルカンやアルファマンナン等とは性質を異にしております。前者が腸管を通過していくことに対して、本成分は一部腸管吸収されるということです。
 パーティクル化されたヘミセルロースは高分子の場合と異なり、水溶化を示します。マクロファージに対する反応性は不溶性成分と水溶性成分では全く、その性質が異なります。
 ベータグルカンは不溶性です。ベータグルカンがマクロファージを活性化することは周知の事実ですが、これは貪食による物理的な反応に近いものと考えられます。
 一方パーティクル化されたヘミセルロースは水溶性ですから免疫細胞との間で生化学的反応を起こす可能性を有しています。つまり細胞表面に存在するレクチンとの親和性を有する糖鎖を通して、五炭糖(ペントース)の刺激が免疫細胞を活性化すると考えています。また細胞表面タンパク(レクチン)に対する親和性の強さは、その分子中の親和性(アフィニティー)糖鎖の密度が高い程アフィニティーが高まることが明らかにされています。
 以上のことから摂取することによって免疫細胞を強化する糖質は腸管吸収可能な分子量であること、水溶性であること、糖質分子中に免疫細胞レクチンと親和性を有する糖鎖を含有することの条件を備えていまければなりません。
 腸管のパイエル板から吸収されたヘミセルロースパーティクルは腸壁の内側に存在するマクロファージ、NK細胞等に結合し活性化すると考えられます。活性化されたそれらの細胞が連鎖反応的に他のリンパ球を活性化し、全身免疫の活性化に波及するものと考えています。このようにオリザロースを代表とするヘミセルロースパーティクルの摂取による免疫増強のメカニズムはβ−1・3−グルカン製剤の静注作用とは根本的に異なるものと考えます。オリザロースの作用は一種の腸管免疫の作用であり、それも腸管の内側に存在するリンパ球への影響を与える引き金となるものと考えます。


3)ヘミセルロース誘導体関連物質の有効性を示すサイエンティフィックエビデンス

臨床的有効性に関する論文
 ・HBe抗原陽性慢性肝炎に対するLEMによる治療:原田尚、兼高遠貳、肝胆膵 14(2):327-335,1987
 ・担癌患者に対する植物由来多糖類抽出物(AHCC)の効果−免疫パラメーターperformance statusへの影響−:宇野克明ら、Biotherapy 14(3)303-309,2000
 ・Improved prognosis of postoperative hepotocellular carcinoma patients treated with functional foods : a prospective cohort study : Y.Matsui et al, Journal of Hepatology, 37. 78-86 (2002)
 ・The Oral Administration of the modified Arabinoxylan From Rice Bran (HRB) Prevents a Common Cold Syndrome in Elderly People Based on Immunomodulatory Function: K. Tazawa, K. Ichihashi, K. Omura, M. Anazawa, H. Maeda, Journal of Traditional Medicines, Vol. 20(30)132-141, 2003
 ・NK Immunorestoration of cancer Patients by BioBran/MGN-3,A Modified ArabinoxylanRiceBran(study of 32 Patients Followed for up to 4 Years):Mandooh Ghoneum and Jimmy Brown,Anti-Aging Medical therapeutics,Vol.3,217-226,1999
 ・The Safety and QOL improvement Effects of the Oral Administration of the Fermented Oryza Sativa subsp japonica in Elderly People: S Hirose, K. Omura, N. Shiraishi, H. Maeda, Geriatric Medicine 45(11);1469〜1475,2007

基礎的有効性に関する論文
 ・Effect of Extract of Cultured Lentinus edodes mycelia (LEM)on Polyclonal Antibody Response induced by Porkweed Mitogen : Y.Mizoguchi,S.Morisawa, Gastroenterologia Japonica,22,No.5 1987
 ・Anticarcinogenic Actions of Water-Soluble and Alcohol insoluble fractions from culture Medium of Lentinus edodes Mycelia : N.Sugano, Y.Hibino, Y.Choji and H.Maeda, Cancer Letter17(1982)109-114
 ・L. Edodes mycelia(シイタケ菌菌糸)水溶性抽出物のマクロファージに対する作用と細菌感染防御効果:松村治雄、寺田泰比古、前田浩明、中野昌康、日本網内系学会会誌、第2巻、第2号、201‐207,昭和62年
 ・担子菌培養抽出物であるAHCCのマウス四塩化炭素肝障害モデルに対する肝保護作用:孫歩祥、若命浩二、向田朋美、豊島厚司、金沢勉 小砂憲一、Natural Medicines,51(4),310-315(1997)
 ・Protective Effects of Active Hexsose Correlated compound (AHCC) on the Onset of Diabetes Induced by Streptozotocin in the Rat : Koji Wakame, Biomedical Research 20(3)145-152,1999
 ・実験的顆粒球減少マウスモデルにおける担子菌標品AHCCのCandida Albicans感染予防効果:池田達夫ら、日本医真菌学雑誌、44、127−131(2003)
 ・Enhancement of Human Natural killer Cell Activity by Modified Arabinoxylan from RiceBran(MGN-3) : M.Ghoneum, Int. J. Immunotherapy, Vol. ]W (2),89-99,1998
 ・The Effect of Modified Arabinoxylan from RiceBran (MGN-3) on Cisplatin and Doxorubicin Induced Toxity in the Rat : H.Jacoby, G.Wnorowski, K.Sakata, H.Maeda, Jounal of Nutraceutical Functional & Medical Foods, Vol.3(4)3-11,2001
 ・Modified Arabinoxylan from Rice Bran (BioBran/MGN-3) Improves Glucose Tolerance in NIDDM Adult Rats Given Streptozocinas Neonates, I. Ohara, K. Onai, H. Maeda, Studies,Aichi Gakusen University, No.37,pp.17-23, 2002.
 ・The peculiarity of fermented ancient rice and possibility to application as the Functional food : Hiroaki Maeda, Seiko Ito, Tomisato Miura, Yoji Kato, The Japanese Academy for Clinical Complementary and Alternative Medicine(2006)


                               | 前のページへ次のページへ