シンヤビオジマに学ぶ食物栄養学 < ミラクルエンザイムの温存と効率化において免疫システムの活性化が有効に働く可能性 < 機能性たんぱく質摂取による機能性向上の例

・ミラクルエンザイムの温存と効率化において免疫システムの活性化が
 有効に働く可能性

 腸相と健康の関係については明らかで、新谷先生の30万人を越える診断から良好な腸相をしている間は病気にならないでいられるということです。腸相の要素の一つは粘膜の状態だと思います。我々の消化管表面は粘膜に覆われています。食物の消化吸収において最も重要な器官は小腸であり、小腸の粘膜の温存は生命維持につながります。放射線や抗癌剤は小腸粘膜に大きなダメージを与え、栄養状態を悪化させます。小腸粘膜の表面(腸管側)と内面(血管側)には多くのリンパ球が集結しており、腸管は生体の中で最大の免疫器官であると考えられています。そして、食物成分は表面を通過する成分や腸管から吸収される成分によって免疫系に影響を与えていることが明らかになってきています。また、大腸粘膜には生体の総細胞数に匹敵する数の細菌が生息していると言われています。そしてこれらの細菌と腸粘膜の間で物質のやりとりが行われ、共生関係が成り立っています。ですから大腸粘膜が良好であること、即ち腸相が良好であることがホメオスターシスにつながる大きな要因であると思います。現在、内視鏡による小腸の検査は可能であるとのことですが、大腸の腸相は当然、川上の小腸の状態を反映していますので、大腸の腸相を観察すればその人の防衛体力も評価できるものと考えます。

 新谷先生との共同研究や報告書から食物と腸相および免疫強化との関係が明らかになりつつあります。玄米等の未精製食品を多く食べることによって腸相が明らかに改善された例や、我々の分析による乳酸菌培養物の摂取による腸内菌叢の改善および私が開発した米ぬか由来の活性多糖(免疫調整物質)摂取による生体防御能の向上等、食物成分と腸相と恒常性維持(ホメオスターシス)や生体防御は密接な関係があることが証明されてきています。

 生体防御を司る免疫システムとミラクルエンザイムの温存と効率化の関係において、腸粘膜を舞台として食物成分が有効に働くことは容易に想像できます。生体防御能の低下による感染や腫瘍等の排除に、常にリンパ球を含む免疫システムが臨戦態勢にありますとエネルギーの浪費、即ち解糖系の酵素の浪費につながり、生命力が低下しますそれよりは良好な栄養状態を保ちつつ、一朝事がおきた時、即ち排除すべき非自己が体内に生じた時に直ちに対応する防衛能を備えておくことが大切です。

 シンヤ・ビオジマのフィロソフィーの中心にあるのが食物であり、酵素リッチな食物、良い水と酵素サプリメント、ビタミン・ミネラルの補給、免疫調整物質・抗酸化物質の摂取があります。これらの食物の摂取が総合的な生命力の強化、即ちミラクルエンザイムの温存につながるであろうと考えます。

・機能性たんぱく質摂取による機能性向上の例

 酵素たんぱく質を摂取することによって、体内の酵素の補完ができることが全く否定できない事例を、私の経験をもとに記述します。私がその開発に関係した機能性たんぱく質を主成分とする機能性食品が3品目あります。ナットウキナーゼ(バチロペプチダーゼ)、ニンニクレクチン、パパインがそれらの成分です。いずれもin vitroで発現する作用が経口投与(摂取)によっても類似の作用が得られる物質です。

 細胞中には血栓溶解作用を有するプロテアーゼが存在しています。サブチリジンプロテアーゼとバチロペプチダーゼです。私が製品化したのはバチロペプチダーゼで分子量47000ダルトンの酵素たんぱくで構成されています。in vitro testで血栓溶解作用を有しており、経口投与のin vivo testにおいても同様の作用が認められます。またヒトに対しては摂取24時間後に線溶系への影響があらわれ、継続摂取により血液の凝固と線溶系のバランスが良好に保たれます。私の実験結果では経口投与により、バチロペプチダーゼを構成としているたんぱく質が消化されて生じたペプチドがPAI-1に作用し血液の線溶カスケードを活性化していることが示唆されました。in vitroとin vivoで同様の作用が認められていますが、in vitroにおけるプロテアーゼとしての活性は全く異なるメカニズムで、ひとつの物質がin vivoにおいて同様の作用を発現しているという大変興味ある実験結果でありました。

 次はパパインです。パパインは未熟のパパイヤ(青パパイヤ)に多く含まれています。(因みに熟したパパイヤには殆んどパパイン活性はありません)in vitro testで青パパイヤの粉末は強いプロテアーゼ活性を有しますし、経口摂取でもプロテアーゼ活性を示します。しかし、それだけではなく胃腸に作用し、消化機能を向上させ、腸内環境を改善します。沖縄では古来、青パパイヤを常食し長寿と健康の一要素として青パパイヤの効能を評価していますが、主な成分がパパインであり、その作用がパパイン由来のペプチドであることが示唆されることから興味深いと思います。

 三番目がニンニクレクチンの例です。新鮮なニンニク鱗片中には血清中に存在し細胞のアポトーシスを促進するレクチンと類似したレクチン様たんぱく質が存在しin vitro testでは腫瘍細胞に対して強いアポトーシス促進作用があることが報告されていると同時に、経口投与による腫瘍退縮作用も報告されています。またヒト低分化型前立腺癌において化学療法と併用することにより急激に前立腺癌腫瘍マーカーのPSAが低下しアポトーシスを誘導していると考えられる症例の報告もあります。この場合ニンニクのレクチン様たんぱく質が経口投与により、直接アポトーシスの誘導を惹起しているとは考えにくく、やはり消化過程によって生じたペプチドが腫瘍細胞のアポトーシスの誘導に触媒的役割を果たしていると考えるべきであると思います。

 これら3種類の機能性たんぱく質が食物栄養学的にはあり得ない現象を実際に惹起しており、あたかも生体内での作用を有する機能を持ったまま、生体内の反応場所へ吸収し分布しているような錯覚を与えております。そのポイントはいずれもたんぱく質であり、アミノ酸に分解される過程でエンドペプチダーゼの作用を受け、一定のサイズのペプチドとなり、吸収され生体的に存在するということです。食物として摂取された酵素たんぱく質はこれらの機能性たんぱく質と同様、一部ペプチドのまま吸収され、生体内酵素の合成に関与し、あたかも酵素を食べると酵素が増えるような現象を惹起しているのかもしれません。
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